furaha
ハンドメイドのニット小物などを制作&販売しています。
10月の肉の日のこと
- 2018/11/06 (Tue) |
- その他 |
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あの日、引き返して本当に良かった。
病院を出てバスに乗り、帰路に就いていた私は
帰り際に聞かれた父の一言が心に引っかかっていた。
「今日は泊まっていくんか?」
嘔吐と痛みで眠れない父は、その日の夜、
安定剤を処方する予定になっていた。
泊まっていくかと尋ねられたことなど、これまでになかったことだ。
このまま帰れば、一生後悔することになるかもしれない。
反対方向のバスに乗り換え、病院に引き返した私は、
その夜、父が眠るまで話し続けた。
気がかりなこと。
これまでの人生で一番楽しかったこと。
父が考えていたこと。
好きなこと。
母が父にだけ話していた、行ってみたい場所。それがまだ叶っていないこと。
その日以降、父は呼びかけに軽く答えたり
頷いたりはするものの、うとうとと眠り続け、
長く話をすることはできなくなった。
5日後、緊急入院から数えると僅か10日で、
父は旅立った。
救急搬送される前、最後に食べた物がお肉だったという程
肉好きだった父らしく、29日の旅立ちだ。
肉好きが肉の日に逝っちゃうとは、これ如何に。
絶対に命日を覚えておいてもらえるよ、お父さん。
まあ、いずれもれなくそっちに行くから。
それまで、しばしお別れ!
********************
29日のツィッターには、2007.6.17父の日に掲載した文章を
再掲しました。
2007.6.17
父の日に寄せて
『今日は天神にいます』
1~2ヶ月に一度、早朝に父から入るメールだ。
『7:20頃通ります。運転手さんの後ろの席に座ってます。』
すかさず私も返信する。
バスに乗って通る私の通勤路の途中には、父の勤務先がある。
1~2ヶ月に一度、父が早朝から勤務していることがあり、
その時にメールが届くのだ。
通り過ぎる一瞬の間に、お互いの姿を認め、私達は手を振り合う。
“今日は元気そうだな”
“白髪が増えたなぁ”
と私が感じるように、父も何かを思っているのかもしれない。
若い頃は、何も知らずにいたがゆえに、
父に対して不満を感じたりすることもあったけれど、
年を重ね、社会に出て、勤め人としての毎日を過ごしていると
私の知ることのない職場での父の姿や苦労が、多少なりとも
分かってきたような気がする。
それに伴い、話が合うことも多くなってきた。
数年前、ポツリと父が言った事がある。
「みんな大変。みんな頑張ってるんよ。」
それを聞いたとき、家では無口な父の、外での姿を
垣間見たような気がしたものだ。
それは恐らく、高校生の頃に聞いても、
何も感じない一言だっただろう。
大人になった今、私は、父が大好きです。
病院を出てバスに乗り、帰路に就いていた私は
帰り際に聞かれた父の一言が心に引っかかっていた。
「今日は泊まっていくんか?」
嘔吐と痛みで眠れない父は、その日の夜、
安定剤を処方する予定になっていた。
泊まっていくかと尋ねられたことなど、これまでになかったことだ。
このまま帰れば、一生後悔することになるかもしれない。
反対方向のバスに乗り換え、病院に引き返した私は、
その夜、父が眠るまで話し続けた。
気がかりなこと。
これまでの人生で一番楽しかったこと。
父が考えていたこと。
好きなこと。
母が父にだけ話していた、行ってみたい場所。それがまだ叶っていないこと。
その日以降、父は呼びかけに軽く答えたり
頷いたりはするものの、うとうとと眠り続け、
長く話をすることはできなくなった。
5日後、緊急入院から数えると僅か10日で、
父は旅立った。
救急搬送される前、最後に食べた物がお肉だったという程
肉好きだった父らしく、29日の旅立ちだ。
肉好きが肉の日に逝っちゃうとは、これ如何に。
絶対に命日を覚えておいてもらえるよ、お父さん。
まあ、いずれもれなくそっちに行くから。
それまで、しばしお別れ!
********************
29日のツィッターには、2007.6.17父の日に掲載した文章を
再掲しました。
2007.6.17
父の日に寄せて
『今日は天神にいます』
1~2ヶ月に一度、早朝に父から入るメールだ。
『7:20頃通ります。運転手さんの後ろの席に座ってます。』
すかさず私も返信する。
バスに乗って通る私の通勤路の途中には、父の勤務先がある。
1~2ヶ月に一度、父が早朝から勤務していることがあり、
その時にメールが届くのだ。
通り過ぎる一瞬の間に、お互いの姿を認め、私達は手を振り合う。
“今日は元気そうだな”
“白髪が増えたなぁ”
と私が感じるように、父も何かを思っているのかもしれない。
若い頃は、何も知らずにいたがゆえに、
父に対して不満を感じたりすることもあったけれど、
年を重ね、社会に出て、勤め人としての毎日を過ごしていると
私の知ることのない職場での父の姿や苦労が、多少なりとも
分かってきたような気がする。
それに伴い、話が合うことも多くなってきた。
数年前、ポツリと父が言った事がある。
「みんな大変。みんな頑張ってるんよ。」
それを聞いたとき、家では無口な父の、外での姿を
垣間見たような気がしたものだ。
それは恐らく、高校生の頃に聞いても、
何も感じない一言だっただろう。
大人になった今、私は、父が大好きです。
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